2011-12-26

年が暮れました

もう2011年も数日になってしまいました。年をとると日が経つのが早くなるとよく言われることですが本当に90年もいつの間に経ってしまったかと思います。
でもその半面いろいろのことが見えてきたり分かってきたりの思いもかけぬ景色が回りに見えてくるのは面白いことです。
先日もふと懐かしくてベーとーヴェンの15番のピアノソナタ(田園)の楽譜を引っ張り出して弾いてみたのです。これは私が上野の入試のときとベルリンのヨーロッパでビューのときベートーヴェンの夕べのリサイタルで弾いた印象深い曲なのです。ところが見えてくる姿が違うのです。そしてベートーヴェンってなんて優しい人なのだろうと涙がこぼれそうになりました。
第2テーマの嬰ハ長調から延々と続く転調句の得もいわれぬ微妙な音の移りは心に染み入るようでした。勿論美しいのは分かっていましたがこの心の許容範囲が広くなったのでしょうか、それとも私の何でも収容頭陀袋がとてもよい発行をしたのでしょうか。本当に心の染み渡っていくような「人間の優しみ」はこの曲を弾く時はこの美しさを聴く方たちにどうしても伝えなくては・・・・・とこの曲の演奏を固く決心したのでした。その時はぜひ聴きにいらしてくださいね。来年の仕事は一月九日に朝日カルチュアセンターで井熊よし子さんとの対談で始まります。このときは月光の曲を弾くつもりです。あの第1楽章を弾くたびに本当に何という名曲だろうと思わせられます。ベートーヴェンて本当に凄い作曲家ですね!!!