2009-07-20

新しい発見

あっという間に6月28日の演奏会から1ヶ月が経とうとしています。当日はNHKが入るというので朝9時半にお迎えが来て午前中に1回本番、午後もう一度本番ということになってしまい、もうクタクタに疲れました。NHKでは当日夜 ニュースで取り上げられ そのままBSで何回か放送され、ニューヨークにいた知人から「見ました」という連絡が来てビックリ。白寿となった私にとっては考えられない〝地球の狭さ〟の経験でした。
お蔭様で演奏会は大成功でしたが、練習過程においては私自身「えっ?」と思われる新発見がいっぱいあり、嬉しい演奏会でした。
演奏会ごとに楽譜を前にその作曲家の意志やオーラを求めてそれを掘り下げていくわけですが、その音楽家のもっている言葉というものの在りようは本当に面白いものです。そうして昨年来すっかりバッハ語に取り憑かれてしまった私ですが今年はそのうえにベートーヴェンの至難の曲OP・111のソナタを加えたので、なかなか大変でした。楽譜の読み方も勿論ですが、私はこのふたりの曲を演奏するときは全く別の音色が要求されるということを知ったのです。「そんなこと当たり前でしょ」といわれそうですが、基本的に彼らの曲がステージでつくりだすオーラの種類がぜんぜん違うのです。それはある時、聴かせてほしいという方の前で初めて演奏会のように続けて弾いたときに起こりました。いつだって楽譜をみて指で弾いて耳で聴いているわけなのに!!!でもこの時はこの3つの運動の結果を、今度は私の指が演奏するものを音楽として、ある塊りとして私の体が受け取ったのかもしれません。ある違うオーラの輝きが私を包み込んだのかもしれません。勿論いつでもその作曲家の音楽哲学を表現するための音色は探りにさぐって追い求めます。でもこのように違うピアノの音と感じたのは初めてでした。「何を今さら」と言いたいところですが、でもそこでひらけた新しい風景は驚愕でもあり新鮮な歓びでもありました。一回ごとに新しいことを発見する歓びは私を音楽から離しません。そしてそれを聴いている方たちに「ね、そうでしょ!!!」と語りかけられる喜びでも・・・!
ようやく人心地がついた今頃になって私は音楽って何てすばらしいものだろうと思っています。

室井 摩耶子

撮影:中村 太

2009-07-01

音楽会の後で

疲れて人心地がない状態です。。。
目が覚めたらお目にかかりましょう。
何日か経ったらまた書きます!

室井摩耶子