2007-12-26

バッハ語

 ブログを開けてみたらいつの間にか1ヶ月経っていました。その間 何人かの方に書き込みを頂きました。お返事を書こうと思いつつピアノと大格闘をしてまして失礼しました。
12月16日はバッハを弾いたのですが堅苦しいバッハが結構楽しかったようで、後で皆様から感激したとかバッハを見直ししたとかのお便りを頂きわたしの方が嬉しく感激いたしております。云うなれば目下バッハ語に夢中です。来年4月13日の「バッハの物語」のためにスケジュールを空けておいてください。

良いお年をお迎えください。
室井摩耶子

2007-11-15

バッハ

 10月半ばに庭で時ならぬ“月下美人”が1輪 花をつけました。珍しいので写真に収めておきました。

 さて私のピアノ日記は 目下バッハにはまっております。
改めて弾いてみますと バッハが思いもかけずデリケートでエレガントでビックリしました。それに平均律から3曲弾くのですが各々そのキャラクターがあまり違うのでそれも大きな驚きでした。いつも何か“新発見”です。また“フーガ”という方式も、今までハッキリしていなかったのが、段々その姿を現し 嬉しいけれど勉強が大変で大苦労しています。 でも素敵な音楽が出来上がるとバンザイです。
本番は12月16日です。おたのしみに!!
室井摩耶子

2007-10-17

深夜便 PART2

 9月29日の深夜便に対して沢山の方に感想を頂いてとても嬉しく思っております。
 昔のおてんば物語(いまでもその気配は残っておりますが)自分でもよくやってくれるよ…と思います。でも名誉のために申し添えますが、風邪などひいて寝ているときなど、とても大人しく何の物音もしないので、母が死んでいるのではないかと部屋を覗くと、こちらを向いてニコッとしてくれて…等と話してくれたものです。

 深夜便ではアナウンサーの方がとてもよくリードして下さって楽しくお喋りできました。その中で〝音楽は会話〟とお話ししましたが、よく意味が通じなかったようです。後半になって、漸く主題がソプラノに出てきたり、その答えがバスに出てきたりの会話です。
音楽は〝せりふ〟のやりとりでいつも次から次へと会話が流れているという…
と言いたかった私の意思がはっきりしたようです。
お喋りのくせに舌足らず。おゆるしください。

ではまた。今度は今大仲良しになったバッハの話をしましょう。
室井摩耶子

2007-10-08

秋 第1号たより。

 朝、窓をあけて新聞を読んでいましたら何か良いにおいが漂ってきました。金木犀(キンモクセイ)の香りです。外に出てみると2本の金木犀の枝もたわわに花いっぱいでした。
さて、9月29日のラジオ深夜便の写真が届きました。夜11時10分から12時25分までおしゃべりしていたのですが、どうやら私のお茶目さん時代の武勇伝がひどくみなさんにショックを与えたようです。というのは、小学校2年生の頃、乗ってきた電車の先取りをして踏切に踏み込んだ途端、ちょうど来た下り電車と登り電車の間で立ち往生したというわけです。
スタジオのなかにいるのは生き延びた貴婦人ですが、どうも今でもピチピチのいたずらっ子のくせが残っているようで何かで大笑いをしているようです。

深夜便のお話は また今度。。。

室井摩耶子

2007-09-22

今日は大丈夫

 この間はみんな何処かにいってしまいました。
そんなあ!ということで、今日はとばかり腕を振るいました。出来たあ!ということで写真を載せます。家のペチニアきれいでしょう。
来る9月29日NHKのラジオ深夜便で23時10分からです。これは収録ではなく生トークですのでドキドキハラハラです。さて、何が起こりますやら。。。
間でCDがチョッピリ入りますので聴いてください。
室井摩耶子

2007-09-18

写真喪失

 先日、浜松へいってきました。アリバイ写真を撮ってきて意気揚々と家で印刷しようと思ったら、なんと!何にもでてきません。家の怠けものパソコン 全部呑み込んでしまったようです。まあ無くなったものは、しょうがない。(私がわるいんじゃないカナ?)
又 今度。

MayakoMuroi

2007-08-28

モーツァルトの真髄

 爽やかな軽井沢から蒸し暑い東京に帰ってまいりました。
軽井沢では軽井沢八月祭りに〝モーツァルトの真髄〟というタイトルの元にモーツァルトを弾いてまいりました。軽井沢はさすがに空気が乾いていて、そよ風が涼しいし そこで伸びている木々が明るく緑に輝いていました。場所は大賀ホールというソニーの大賀さんが創った五角形のホールで座席の真ん中から天井を見上げると天窓を通って日光が大の字を描いていました。意図したのかそうでないのかは私は知りませんが、大賀さんのちょっとしたイタズラっ気を感じて、ニヤっとしてしまいました。
お客さんは入口に溢れていて、夏の避暑地というのはこんなものかと感心して眺めていました。でも音楽会が終わって外に出るとたくさんの方々が「よかったですよ」「モーツァルトっていいですね」とおっしゃって握手を求められ、いつもは音楽会などに特に行こうとは思わないような、フラッと入られたお客様に「あ、モーツァルトの音楽ってなかなか良いね」という楽しい時をプレゼントすることができたと、私も大変うれしく思いました。

写真は大賀ホールの前とホテルのお庭の散歩と楽屋風景。



2007-07-20

あたらしいCDのこと

今年2月10日の音楽会のライブCDができました。題は「魂のMozart」です。前のに引き続いてMozartの特集になりますが、音楽というものは面白いもので、その時々で色々な姿を現してくれます。
私も長い間生きてきて,この頃楽譜の中に作曲家の深い音楽の思想を見るとき、私は本当に長く生きていてよかった、そして健康に恵まれそれを音として表現することができるのは何と幸せなことだろうとつくづく思う毎日なのです。
 さて、このアダージオK.540は、ここ1年ほどぞっこん惚れ込んで磨きに磨いて弾きこんだ曲です。最初の単音の3つの音によるテーマにはMozartの慟哭の思いが詰め込まれています。このテーマは曲の至る所に出てきますが、それは 時には隠された焦燥、時には暗闇の中でのつぶやき、涙さえ拒絶する哀惜の情と、その場その場で色合いが変わります。
私はこの人間の醍醐味にあふれた〝響き〟を持つ音楽に本当にたくさんの勉強をさせていただいたと思います。その場その場でそれぞれの極めつきの〝響き〟が要求されるのですから…。だから「ピアノの演奏を聴いているというより何か話しかけられているよう…」とか「長い人生に蓄積したものがピアノの音から立ち昇ってきますね」あるいは「Mozartと室井摩耶子との会話」「3日間もa-mollのソナタを繰り返して聴きました…」などと言ってこられるのを聞きますと私は本当に嬉しいのです。では「どんな曲?」と聞かれると私は「まぁ聴いてみてください」というよりほかありません。

きょうはCDに興奮して再びアダージオに振り回されました。

また今度…。

2007-06-26

演奏旅行日記

 ようやく九州の演奏旅行を終えて帰ってきてホッとしているところです。わが庭は梅雨ざかりで紫陽花がここぞとばかりそのエネルギーを花鞠のまろやかさに力いっぱい押しつけています。そして鮮やかなしそ色のペチニア。まるで掴みつけたように山盛りです。お花屋さんのかどに立って「買えば1万円以上よね」などと値段表を眺めてほくそ笑んでおります。
 九州からの帰りは、3週間前の転倒事故で まだびっこをひいていたのでシルバーシート扱い。羽田空港の端から端まで車椅子に乗せていただきました。でも行きがけに2人乗りのモーター付き車椅子を見ていたので あれが迎えに来てくれるのかと楽しみにしていましたのに、来たのは人力車椅子。野次馬マヤコさんも押してくださるスチュワーデスさんにひたすら恐縮恐縮でした。
でも演奏会は大成功でした。ピアノの音がどんなに違う「ひびき」を出せるかに主題をおいてお話したのですが、お客様は各曲(ベートーヴェン、モーツァルト、ブラームス)がそれぞれの本当に違った音で演奏されたことに感銘を受けられたようです。まぁそう簡単に言いますが、作曲者がその音に込めたもろもろの感情、そして哲学などを読み取って、それを表現するのはピアニストにとってはそう簡単ではありません。けれど音楽会のステージで、実際の音としてこう弾けばこのような音がする。このような音がほしいときはこのように、と目の前で実演するとそれは本当に良くわかることのようです。そして、すぐ後にその響きで物語(演奏)が始まるのですから...。
ベートーヴェンのソナタ“月光”の一楽章など、楽章中に続くあの三連音符がなんという静けさを作り上げていることでしょう。そしてピアニストはその静けさが作り出される“響き”を自分の指先で生み出すのに、本当にデリケートな神経と集中力を注がなければならないのです。それだけに出たその響きに、聴いてくださる方たちが感動してくださったとき、(それはステージにビンビン反応してきます)私は本当に嬉しくてたまらないのです。音楽ってなんて素晴らしいのでしょう!人間万歳!って叫びたくなります。続きはまたこんど…。

2007-04-24

お久しぶり

 折角はじめたブログも音楽会に阻まれてトギレトギレになってしまいました。
4月18日はお誕生日で85歳が86歳になり あ、年をとったなあ ナンテ しょけこんだり、 あ、もうこれで年のことは一切“忘却の彼方”へしようと考えたり・・・・・というところです。
面白いもので、音楽会が終わって数日後、今ひいたばかりの曲が懐かしくなり、弾いてみると、またまた新しい発見がニョキニョキ出現します。ああ、こんなことだったのか、ここはこうあるべきだ、などとピアノをなでたり、さすったり・・・・・
新しい音に胸がワクワク。そして反面、なぜこんな事に気付かなかったのかしらとチョッピリ悔しかったりです。
だから簡単に三途の川を渡れないんです。

 今、家の庭にはシンビジウムが花盛り。なにしろ一株に十三も花枝がついてケンラン。それが5株もあるんですから。。。しかも一年中 外に出しっぱなし。植え替えも何もしてやらないのに、私と似てたくましく生命を誇るのですから、、、お友達が皮肉 交じりに「訓練されちゃったのね」とおっしゃるのも「そうそう」と肯定する以外はありません。花屋さんで作り上げられた“淑女”とは違ってピカピカ自然の美を謳い上げて、私も毎日 眺めてはニコニコしています。
だから簡単には三途の川を渡れないんです。
私の長寿の秘訣でしょうか。
今日はここまで。

2007-01-06

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。そろそろ、音楽会も近づいてきました。ようやく私のMozartさんもお親しくなってきて、深刻な表情をした音を要求をしたり、片目つぶってウインクをしたり、その要求に応じるのにたいへんです。それが音楽会場でどんなに響くかは、どうぞ2月10日に新宿のオペラシティに来て聴いてください。リサイタルホールで午後2時です。
この間、TVでアーノンクールや、ノリントンの指揮による古楽奏法の音楽を聴きました。そしてその音楽の幅広さ、力強さにビックリいたしました。練習の場面もあり、「神への祈り」で本当に際限なく拡がり、高みに昇っていくところなど全く無限さを感じさせました。合唱はアーノンクールの指揮に包まれて天に昇っていくようでした。曲の終わりの「アーメン」など彼の指先は声が終わっても敬虔な静寂の奥底に限りなく引き込まれていきました。
そして私は目からうろこでMozartの楽譜(音楽)の読み方に新たな納得を得たのでした。

生きてるって、なんと素晴らしいことでしょう!!

そうして音楽会場に来てくださった方たちとその素晴らしい音楽を共感できるということは私のこの上ない歓びなのです。

またお便りします。
以上 おわり!

室井 摩耶子